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​ミルキーウェイ

「ミルキーウェイ」と書かれた扉を開くと、そこには黄色の髪をかき上げて、眠そうにしている中学生くらいの女の子がいた。

「あふぅ…あ、プロデューサーだ。おはようなのー。」

「うーん…美希か。なんだか眠そうだな。」

星井美希。昼寝とおにぎりが大好きな少女で、その底力はとんでもなく大きい。

でも、なんか僕はこの子にハニーと呼ばれていた記憶や、茶髪だった記憶もある…。

まぁ、今はどうでもいいか。

​「はいこれ、どうぞなの。」

「…どういうことだ?」

「ミキね、『現実』にいる間って、『正直』でいなきゃいけなくて、『疲れ』ちゃうの。

でも、眠るとカッコつけなくてよくなるから、結構楽になるの。」

「ふーん、そういうもんかね」

「カッコつけなくてよくなると、いつもカッコの中にある物も消えちゃうし。」​

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