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ARRIVE
ARRIVEと書かれた扉を開いてみると、そこには先の子とは別の少女が立っていた。
金髪で派手な服装だが、何やら怖がっているような目をしている。
少女はこちらを確認すると、
「あ、プロデューサーさん…。お久しぶりです…。」
と声をかけてきた。
「…?プロデューサーさん、私のこと…分かります?」
不安げに彼女が問いかけてきた。
いや、知るはずがないだろう。こちとら初対面のはずだが…
「えーと、篠宮可憐さん、だよね。趣味は確かアロマだったかな…」
しかし、何故か口はその彼女の名前と、あろうことか趣味を紡いでいた。
ちょっと待て、なんでだ?どうして俺はこの子の名前を知っている?
名前だけならともかくとして、どうして趣味まで…?
そんな俺の混乱をよそに、彼女はにっこりと控えめに微笑む。
「よ、よかったぁ…。ちゃんと覚えててくれたんですね」
そういうと彼女は鞄から何かを取り出し始めた。
目の前に置かれたそれは、4つの瓶だった。
「ひ、左から順番に『オレンジビター』、『カルダモン』、『カカオ』、『タイムコモン』っていうアロマです。どれもいいアロマですよ…うふふ。」
彼女はそういって、こちらに向き直る。
「こ、これが私からの問題です。解いてみてください…。」
こういう感じで問題が出されるのか…。ふむふむ。

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